第274話:メイジー

全てが混沌としていた。場違いなほど大勢の人々がそこにいた。彼らがどこから湧いて出たのか、なぜここにいるのか、私には皆目見当がつかなかった。以前ここで彼らを見かけたことなど一度もなかったのだ。警備兵たちは何かに向かって走っていたが、私たちが子供たちを次々とポータルへ運んでいても、私やマークに目もくれる者はいなかった。ベントレーの力が衰え始めているのは一目瞭然だったが、誰一人として取り残すわけにはいかない。私は存在を知っている部屋をすべて確認して回った。全てが終わった後、見落としがないか確認するために誰かを送り返す必要はあるだろうが、子供たちは全員救い出せたと、私はかなり確信していた。

「ソーヤ...

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