第72章:リース

答えよりも疑問を抱えたまま、俺は地下牢を後にした。伝説について尋ねても、イーサンは要領を得ない答えしか返さなかった。伝説は数多くあり、どれが真実かは必ずしも分からないと言うのだ。明らかに何かを見落としているのだが、それが何なのか突き止められずにいた。

月が中天に昇る頃、俺は無意識のうちにレオンの住居へと足を向けていた。ドアの前までたどり着くと、ノックをする前に一瞬ためらいを覚えた。

数分ほど待ってようやくドアが開くと、眠そうな目をしたヘザーが顔を出した。この数週間、何度もそうしてきたように、またレオンを家族から引き離すことになり、申し訳ない気持ちになった。だが、あの時と同じように、今も彼が...

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