第81章:リース

毛布にくるまって丸まっている様子から、グレースが動揺しているのは分かったが、その理由までは判然としなかった。「絆」を通じて罪悪感と嫌悪感が流れ込んでくる。俺は彼女の質問を思い出し、それらが関係しているのではないかと考えた。

俺は彼女の隣に横たわり、その髪に指を梳き入れながら、自分の方へと引き寄せた。

「どうして罪悪感なんて抱くんだい、愛しい人。心の中に閉じ込めておくより、俺に話してほしい」数分後、俺はそう声をかけた。

「だって、あいつらが捕まればいいと思ってるから。私がされたみたいに、あいつらも傷つけばいいって。そんなことを願う私は、悪い人間だわ」

「ああ、グレイシー」俺はため息をついた...

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