第7章

 桐島商事の役員会議室は満席だった。

 空席は一つもない。全役員が出席している。普段は電話で参加する者たちでさえ、今日は顔を揃えていた。

 彼らは、これを見届けようとしているのだ。

 私は、誠司さんがどうしてもと勧めたネイビーのスーツを身に纏い、部屋に入った。プロフェッショナルで、高価な仕立て。「私はここに相応しい人間だ」と無言で主張するようなスーツだ。

 拓也はすでに席に着いていた。前回と同じ場所だ。だが、何かが違う。

 痩せて、顔色が悪い。スーツのサイズも、今の彼には合っていないようだった。

 私が入室すると、彼が顔を上げた。視線が絡み合う。

 先に目を逸らしたのは、彼の方...

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