第10章 脅威

安田さんは慌てふためいて、涙を流しながら寧々に話し始めた。

「数日前に、水原旺のやつから電話があって、探し人番組に出るって言うの。お母さんか君のお爺さんの連絡先を教えないと、あなたのことを暴露して、評判を落とすって脅されたの。あの写真のことだって分かってて...でも寧々に聞くのが怖くて！昨日『親探し記』の番組スタッフから電話があって、海市まで航空券を用意するから、事情を知る証言者として出演してほしいって。番組であなたの味方になれると思って！それに寧々と南くんに会えると思って！」

親探し番組！

寧々の胸が高鳴った。

安田さんは涙を拭いながら続けた。「寧々と南くんの昔の写真も持ってきたの...