第12章 死んでも変えない

水原寧々は何も言葉を発することができなかった。

マイクからは反響がなく、夏目空は画面に表示された通話を不思議そうに見つめた。「もしもし?寧々?」

「お世話になりました」水原寧々は謝意を表し、「ありがとうございます」

「なんで急にそんなに丁寧なの?」夏目空は違和感を覚え、「寧々、昨日警察署の前で、僕が言ったこと…ごめんね」と夏目空は謝罪し、「気にしないで」

「わかっています」と彼女の声には疲れが滲んでいた。「安田さんのこと、安田さんの弁護士をお願いしてもいいですか?」

「もちろん、安田さんの作った料理を食べたこともあり、安田さんの家に泊まったこともある。あなたが言わなくても、安田さん...

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