第13章 別の意図

佐藤桜は数秒間黙り込んでから、気持ちを落ち着かせて話し始めた。

「申し訳ありません、水原先輩。私と南さんのことで、ずっと申し訳ない気持ちでいました。でも、この件は...誰にも相談できなくて。だから先輩にこんなにお話ししてしまって...すみません。あと、空港での養母さんの件も、南さんに取り下げるよう話してみます。ご心配なさらないでください」

「では...今日の午後、帝国ホテルへ行く必要があるか?」水原寧々は尋ねた。

佐藤桜は水原寧々の意図が理解できず、困惑した様子で「えっ?」

「藤原南が、今夜七時に帝国ホテルで直接説明しろと。さもないと安田さんを刑務所に入れると言ってきたんだ」

水原...

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