第27章 捨てるべきは捨てよう

藤原南の手はとても美しい。以前、水原寧々が一番好きだったのは、藤原南の手だった。

彼の指の骨はくっきりとしている。指の関節はとても長い。爪はふっくらとしている。それぞれの爪には小さな三日月がある。しかし、写真に写っているその手は、水原寧々の手ではない。

水原寧々の指は細く、しかしもう少しふっくらしているように見える。爪もより四角いスタイルに整えられており、水原寧々の青々とした指先とは異なり、以前はよく藤原南にからかわれていた。

水原寧々は、それが桜の手であることを知っている。二人の手は十指を絡め合い、深い友情と絆が感じられる。それが藤原南のLINEのプロフィール写真だ。その時、小さな赤...

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