第40章 取引

「水原さん。先ほど警察署から状況を確認してきました。現在、動画の発信元となったシードIPアドレスは特定できましたが、葉田長明からのものではありませんでした。また、すべての動画に葉田長明の姿は映っていません。ですので、現時点では彼が加害者であるという証拠も、撮影者であるという証拠もないのです」

「でも、彼が私を脅迫した動画のスクリーンショットを警察に送ったじゃないですか」水原寧々は納得できない様子で言った。

「はい、それらの証拠はすでに警察署に提出しました。そのおかげで葉田長明が警察に呼び出されたのです。しかし、現在の証拠では不十分です。せいぜい彼があなたを脅迫していたこと、そして今回あな...

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