第15章

永野豪たちは私がアウトドアナイフを隠し持っていることを知らなかったが、彼らは大きな場面を経験した人たちで、他人の秘密も尊重している。自分たちの命に危険が及ばない限り、何も言わないのは当然だ。

それに今は責め立てる時ではなく、外の何かに警戒すべき時だった。

外に物音があると知って、俺たち男たちは皆、極めて警戒し、動くことさえ恐れていた。未知の危険を引き寄せないようにと。

未知の危険に遭遇したら、静観するのが当然だが、どうしても頭のおかしい奴がいるものだ。

川村東も何故か目を覚ました。おそらく俺が前に彼を脅したせいで、目を開けるなり俺の手に火に照らされて光るアウトドアナイフを見て、驚いて...

ログインして続きを読む