第31章

私は思った。このまま疑心暗鬼を続けていけば、このチームはいずれ分散してしまうだろう。そして今はまだ解散する時ではない。だからこの辺りで止めておくことにした。

私が話を切り上げようとした矢先、ずっと黙っていた林田琳が口を開いた「佐藤雅子、昨夜の真夜中に何をしに出かけたの?」

皆の心は再び緊張で喉元まで上がってきた。

少し離れたところに立っていた木村陽也は完全に怒り出した「もういい!俺と佐藤雅子のせいで川村東が失踪したって直接言えよ。なんでそんな回りくどい言い方するんだ!」

堤浩司は、いくら惚れた女が相手でも、親友を貶められては黙っていられない。「琳さん、あんたたちが雅子さんと揉めてるの...

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