第35章

海水を汲んで、そこから少し離れた場所で野生の果物でも探してみようと思っていたんだ。だけど、少しの間消えていた視線の感覚が再び頭上に襲ってきて、思わず身震いした。

振り返って確認してみたが、後ろには誰もいない。

その時、風が吹いて木の葉がサワサワと音を立て始めた。背筋が寒くなり、足に力を入れて一目散に走り出した。

帰り道では、バショウの木を見つけて、彼女たちの気分転換になればと思い、一房手に取って持ち帰った。

バナナを食べながら彼女たちに尋ねた「洞窟の中で誰かに見られてるような感じとか、何か変わったことはなかった?」

三人はそれまでリラックスしていたが、私がそう言うとすぐに緊張し始め...

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