第37章

「それと……」私は荷物から信号銃を取り出し、装填するふりをして、すでに二歩後ずさりしている木村陽に向けて見せかけで構えた「次に同じような真似をしてみろ。その時は、言葉だけで済むと思うなよ。弾に目はない。誰に当たろうと、私は知らん。…昔のよしみなんて、微塵も考えるつもりはないからな」

彼らはパイロットとして、多少なりとも銃を見たことがあるはずだ。よく観察すれば、この銃が本物かどうかはすぐに分かるだろう。特に元軍人の永野豪なら。

だが彼らは緊張と恐怖で、あるいは後ろめたさから、よく見ようとしなかった。もちろん、私も彼らにじっくり見る機会は与えず、急いで信号銃をポケットに戻した。

「鈴木久志...

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