11-鏡はありますか?一緒にいるのが見えるから。

「さて、と……あいつらがもっと手強い相手を連れてくる前に、ここから離れた方がいい。それに、僕は仕事に遅刻しそうなんだ」僕は気まずい感じでそう言って、携帯で時間を確認する。本当に今すぐここを離れないと。これ以上この面倒事に巻き込まれる前に。遅刻すること自体は、実はそれほど気にしていない。こんな朝早くに助けを求めてくるやつなんていやしない。みんなまだコーヒーを飲んで目を覚ましている最中だ。でも、これに関わるのだけは絶対にごめんだ。あの時は、名前を教えるのがあいつの従兄弟たちを引かせる一番手っ取り早い方法だと思ったけど、今になって後悔し始めている。これで僕が彼を助けていたことがバレてしまった。ただ事...

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