19-手が重そうですが、握ってもいいですか?

もう一人、今度は消防士の装備に身を包んだ男が合流した。最高、これは間違いなく何かしらのカレンダーが欲しくなる。だって、正直に言って、彼もなかなかのイケメンなのだ。でも、イーライみたいな魔法じみた、抗いがたい感じじゃない。というか、さっきインキュバスの魔法をまともに浴びせられた後では、誰を見てもイケメンだと思ってしまうのかもしれない。今夜見る夢は……面白くなりそうだ。

「どうした、イーライ?」消防士が落ち着いた、それでいて権威のある口調で尋ねる。彼にはどことなく見覚えがある気がするけれど、はっきりとは思い出せない。今まで一度も会ったことがないはずなのに、奇妙な感覚だ。

「こいつら、首を突っ込むべ...

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