58-永遠に続くものは何もないと彼らは言う。私の何でもない存在になりたい?

ロキシーはバーみたいな場所は落ち着かないだろうって、ルーカスを説得しようとした。でも、もちろん彼は連れて行くと聞かない。トーリンもきっと気に入るだろうとか、バーはペットフレンドリーだとか、何やらごちゃごちゃ言っている。私は呆れて目を丸くした。結局、言い争うのも面倒になった。ロキシーは行儀がいいし、ルーカスが混んだバーで使い魔を見せびらかしたいなら、それは彼の勝手だ。

というわけで、私たちはタクシーの後部座席に押し込まれ、ロキシーが間に挟まる形になった。運転手はロキシーがいることに少し神経質になっているようだったが、私たちを降ろそうとはしなかった。ただ、ロキシーが突然牙をむき出しにして車内の装飾...

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