76-図書館のカードを持っているのは良いことです。完全にあなたをチェックアウトしているからです。

ルーカスが着替えるのを待つ間、私は一つの理由で、理屈抜きでわくわくしていた。彼がネクタイを手にしたのだ。あのピンクのネクタイをするつもりなんだ。

なんだか、とてつもない偉業を成し遂げた気分だ。ルーカスに本当の色物を着せるというのは、並大抵のことではない。特に、九割方、私を喜ばせるためだけにやっていると確信しているからだ。別に彼を変えたいとか、そういうわけじゃない。彼が暗い色のスーツの海に囲まれて快適で幸せなら、それでいい。でも、私は明るい色が大好き。だから、たとえ一度きりだとしても、彼が私の好きなものを認めてくれるのを見るのは、本当に嬉しいのだ。

バスルームのドアが開き、ルーカスが出てくる。シ...

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