第4章

 綾辻穂弥視点

 翌朝早く、私はコンロの前に立ち、わずかに震える手でお粥をかき混ぜていた。

 前世の記憶は恐ろしいほど鮮明だった――今日の午前十時頃、神崎空は突然、腹痛で身をかがめ、顔面蒼白になり、額に冷や汗を浮かべるのだ。

 あの時の私は、桐生陸とコーヒーを飲みに出かけていて、神崎空の苦しみに意図的に気づかないふりをしていた。

 でも、今度こそ、すべてを変える。

「穂弥?どうしてそんなに早く起きてるんだ?」

 背後から聞こえた神崎空の声は、眠気でかすれていた。振り返ると、彼は紺色のローブを羽織り、まだ少し寝癖のついた髪で階段を下りてくるところだった。

「今日は胃が痛くなるから...

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