第5章

大輝視点

 葵と別れてからたった三日後。俺は中心街の高級レストランに座り、テーブル越しに莉奈を見つめていた。

「大輝、ここすっごく素敵!」

 莉奈は瞳を輝かせながら、店内の様子を見回した。

 その無邪気で、熱っぽい眼差し――葵からは長いこと向けられていなかったものだ。ここ最近の葵はいつも考え込むような表情で、その瞳の奥には俺には読み取れない何かが潜んでおり、それが俺を無性に苛立たせていた。

「気に入ってくれてよかった」

 俺は手を伸ばして莉奈の頬を撫でた。彼女はすぐに頬を染めた。

 実に単純だ。若い子を喜ばせるのは、本当に簡単でいい。葵とは大違いだ。葵なら何事も三十分は分析し続...

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