第5章

真夜の視点

水曜の夜は、いつもとはどこか違っていた。母さんが月1回の女性経営者の集まりのために、カフェを様変わりさせていたのだ。

十二人の敏腕の女性経営者たちが輪になって座り、互いの成功経験や夢を語り合っている。私は隅の方からライブ配信をしながら、興奮しすぎないように必死だった。

花屋の玲奈さんが母さんの手を取った。「沙良さん、あなたがこのお店を開く前、私たちはみんな孤立して働いていた。でも今は、本当のつながりができたわ」

母さんは顔を赤らめていたけれど、その瞳には輝きが宿っていた――再びパンを焼き始めた頃に現れた、あの輝きだ。「この小さなカフェが、もっと大きなものになるな...

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