第110章

中村奈々はいぶかしげに窓の外へと目を向けた。果たして、空からは雪が舞い落ちている。はらはらと舞うその様は、息を呑むほど美しかった。

中村奈々は漫然と空を舞う雪を見つめ、一瞬呆然とした。ふと、父さんが逮捕されたのも、こんな雪の降る冬の日だったことを思い出す。

あれから二年。父さんが塀の中に入って、もう二年が経つのか。

時が経つのは本当に早い。あと一ヶ月もすればクリスマスだ。

奈々は鼻の奥がツンとするのを感じた。

黒田謙志は、奈々の表情のわずかな変化に気づいたようだ。瞳の奥で何かが揺らぎ、思案げな色を浮かべる。

やがて彼は立ち上がると、座っていた奈々の腕を引いて無理やり立たせた。分厚...

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