第157章

高橋父は息子の胸倉を掴み上げると、力任せに横へと突き飛ばした。座り込んでいる中村奈々に視線を向けることすらせず、指を突きつけて怒鳴り散らす。

「なんだ、この女は! こんなもののために、そこまで落ちぶれたか。俺ですらそんな扱いを受けたことがないというのに、お前ときたら、こんなどこの馬の骨とも知れん女のご機嫌取りとはな!」

高橋父は日頃、温厚な紳士として通っているが、今日ばかりは怒りで我を忘れており、言葉を選ぶ余裕もなかった。

中村奈々は、頭に血が上るのを感じた。悔しさ、無念、そして耐え難い恥辱が胸の奥から込み上げてくる。

高橋文也もまた、怒りを露わにした。

「父さん! 言葉を慎んでく...

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