第81章 俺たちを馬鹿だと思っているのか

その頃、黒田美紀子も警察署に到着していた。彼女は迷うことなく受付の警察官のもとへ歩み寄る。

「中村奈々の保釈手続きに来ました。お願いします」

当直の警察官は記録を確認すると、申し訳なさそうに首を横に振った。

「申し訳ありませんが、現時点では中村奈々さんの保釈は認められません。現在捜査中のため、身柄の解放は不可能です」

黒田美紀子の表情が曇り、声のトーンが上がる。

「どうして? 保釈金なら最高額でも払います。今すぐ彼女を連れて帰りたいの」

警察官はこうした家族の対応には慣れているのか、苛立つ様子も見せない。彼は忍耐強く説明した。

「今回の件は薬物が絡んでおり、中毒症状で入院した被...

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