第83章 誰が不都合だと言った?

黒田謙志が答えるのを待たず、中村奈々は慌てて言葉を挟んだ。

「黒田社長はお忙しいでしょうし、私たちのような暇人とは違って、その……ご都合が悪いのでは……」

単なる口から出まかせだったのだ。それなのに、この森田美波はどこか頭のネジでも外れたのか、あろうことか黒田謙志まで巻き込んで同行しようとしている。

また何か、私を陥れる企みでも思いついたのだろうか。

「誰が都合が悪いと言った?」

中村奈々の言葉を遮り、黒田謙志が冷徹な声で言い放つ。

「週末は特に予定はない。俺も行く」

中村奈々は目を丸くして黒田謙志を凝視した。心中は驚愕の嵐が吹き荒れている。彼女は何か言おうと唇を動かしたが、そ...

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