第95章

その言葉が落ちるやいなや、会場全体の照明がふっと落とされた。

暗闇の中、黒田謙志がゆっくりと立ち上がり、ステージの中央へと歩を進める。

一筋のスポットライトが彼を捉えた。その姿は毅然としており、気宇壮大。まるで光を従えて歩んでいるかのように、一歩一歩に絶対的な威厳と気迫が満ち溢れている。

会場中の視線が彼一人に注がれ、人々は呼吸することさえ忘れたかのようだった。

ステージの中央で足を止めた黒田謙志は、両手を合わせ、軽く会釈をする。マイクを通して響くその声は、磁力を帯びたように低く、魅力的だった。

「美術協会の授賞式に参加でき、光栄に思います」

黒田謙志は一拍置き、会場を見渡した。...

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