第99章

黒田謙志は何も言わず、その騒がしい小さな唇を強引に塞いだ。

「んっ……」

中村奈々は抵抗しようと腕の中でもがくが、衰弱した身体には力が入らなかった。

「いい子だ、口を開けろ」

黒田謙志は甘く諭すように囁き、唇を吸い上げながら嚥下を促す。巧みな舌先が強張る貝歯をこじ開け、口内の甘露を貪り尽くしていく。

大きな掌がうなじへと滑り込み、そこからゆっくりと前方へ、一寸刻みに肌を這うように探索する。指先が触れるたび、彼女の背筋に愛撫の震えが走った。

「黒田謙志、やめて……」

中村奈々は彼を引き剥がそうと肩を押すが、鉄の輪のような腕に締め上げられ、身動きが取れない。

黒田謙志は唇を離すと...

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