第101章 月夜

三人の捜索救助隊員が水に飛び込み、共に中へと泳いでいった。

「中に本当に人がいるのか?」

「ここは出入りが難しいのに、どうやって中で生きていたんだ?」

こちらでは捜索救助隊員がすでに山の麓の医療スタッフと連絡を取っていた。ほどなくして医療スタッフが駆けつけ、必要な器具を準備し、隊員が人を連れ出すのを待ち構えていた。

「お父さん、落ち着いて」娘が水辺に立つ絵になるの腕を引いた。「お母さんはきっと大丈夫よ。配信者の人も言ってたじゃない。今日お母さんを助ければ、きっと助かるって」

絵になるはスマートフォンに目を落とす。

原田麻友は頷いた。「あなたの奸門を拝見しましたが、黒い気は...

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