第105章 空き部屋

原田麻友は手の水滴を拭き取り、原田日菜と原田美紀子の前に歩み寄った。「あなたの生年月日八字を取りに行ってあげてもいいわ」

原田美紀子と原田日菜は目を見開き、喜びに満ちた表情で彼女を見つめた。

「五千万!」

原田麻友は片手を突き出した。「五千万くれるなら、引き受ける」

「なっ!」原田日菜が驚きの声を上げた。

原田美紀子は信じられないといった様子だった。「麻友、あなた……どうしてそんなことを言うの?」

五千万が出せないわけではない。問題なのは、金銭を要求するというその行為だ。

彼女はしばらく原田麻友と行動を共にしていたので、原田麻友の仕事ぶりがかなり気まぐれなことは知っていた。

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