第15章 証明ビデオ

藤原圭は優しく鈴木瑠璃の肩を抱き、静かな声で囁いた。「おじいさまがいらっしゃるから、一緒に行きましょう」

その温かく力強い手のひらに、鈴木瑠璃は心が安らぐのを感じた。まるで全ての悩みが一瞬で消え去ったかのように。彼女は微笑みながら頷き、言葉では表せない幸せを感じていた。

二人がパーティーの中心へ向かうと、メインテーブルにはおじいさまが穏やかな表情で座っていた。鈴木瑠璃はその老紳士の顔が親しみやすく、まるで何年も前に会ったことがあるような気がした。藤原圭はおじいさまの前で極めて気配り上手に振る舞い、優しく鈴木瑠璃に声をかけた。「瑠璃、何か食べたいものある?取ってあげるよ」

「ありがとう」...

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