第39章

鈴木瑠璃の赤く染まった瞳は、鈴木蛍が高々と投げ上げた小瓶を見つめていた。彼女が受け止めようと身を起こそうとした瞬間、背中を打ち手に踏みつけられ、動けなくなってしまった。

ぱしゃん!

鈴木蛍が力任せに叩きつけると、小瓶は音を立てて砕け散った。白い粉末が床に広がり、まるで無数の星が闇の中で散り落ちるかのようだった。

「どうして!どうしてこんなことするの!」鈴木瑠璃の声が引き裂かれるように響き渡った。胸が刺し貫かれるような痛みに、涙が止めどなく溢れ出し、彼女はほとんど崩壊寸前だった。床に這いつくばり、震える手で散らばった粉末を拾い集めながら、彼女の心は耐え難い苦しみで満ちていた。

「これが...

ログインして続きを読む