第113章

以前なら、俺と三船亜由美は大平愛子の振る舞いに文句の一つも言っていたかもしれない。だが今は、二人ともぐうの音も出ない状態だ。

なぜなら大平愛子は、卓越した狩猟技術を持っているだけでなく、罠を仕掛ける手腕にかけても天才的だからだ。

当面の間、俺たちの食糧事情は大平愛子のその腕にかかっていると言っても過言ではない。

だからこそ、他人が働いている間に彼女が休息を取ることは、正当な権利として認められているのだ。

網の場所に戻ると、渡辺真美子は無駄口を叩くことなく、俺たちは真剣に作業を再開した。

一時間ほど協力して作業を進め、ようやく網の整理がつき、三船亜由美たちの側も作業が終盤に差し掛かっ...

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