第122章

本田安奈の焦燥に駆られた叫び声が、耳元で響いた。

俺は懸命に瞼を持ち上げる。脳裏に浮かんだ最初の疑問は、これだった。

「また夢を見ているのか?」

次の瞬間、全身を襲う痛みと不快感を自覚した。

本田安奈が俺の目の前で手のひらを振り、体温を確かめてから言った。

「おじさん、熱があるわ!」

四肢に力が入らない。酷い倦怠感と筋肉痛が体を蝕んでいる。

本田安奈は救急箱から薬を取り出そうとしているところだった。

三船亜由美と大平愛子も、心配そうな面持ちで俺を取り囲んでいた。

何か言おうとしたが、喉が張り付いて声が出ない。三船亜由美が優しく慰めるように言った。

「おじさん、喋らなくてい...

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