第130章

直後、そいつが片手を上げると、二匹の猿人が呼び寄せられた。奴らは鋭利な爪を振るい、容赦なく俺の衣服を引き裂いていく。

大平愛子が同情の眼差しを向けてくるが、俺はそれどころではない。赤毛の猿人を死に物狂いで睨みつけ、胸の内で暴れ回る動揺を必死に押し殺していた。

その時、一本の木の杖をついた老猿が、闇の奥から姿を現した。猿人たちはその姿を認めると、畏怖の念に打たれたように膝をつき、一斉に頭を垂れる。あの赤毛の猿人でさえ例外ではなかった。

老猿の杖には、毒々しい赤色で彩られた瓢箪がぶら下がっており、それが妙に俺の目を引いた。

唐突に思い出した。この老いた猿は、かつて俺の夢の中に現れたことが...

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