第160章

奴が俺に馬乗りになり、拳を顔めがけて振り下ろしてくる。

俺はとっさに腕を上げ、必死にガードした。

長谷川翼のパンチは常軌を逸した重さだった。一撃受けるたびに、骨まで響くような激痛が走る。

ガードし続けるうちに、腕の感覚が麻痺し始めた。

なんとかして奴を振りほどこうと身をよじるが、全体重を乗せられていては身動き一つとれない。

その時だ。小松博と前田大雅がこちらへ駆けてくるのが見えた。その目は明らかに、長谷川翼に加勢するつもりで血走っている。

絶体絶命――そう思った瞬間、俺の後ろに隠れていた三船亜由美が飛び出した。彼女は非常用斧を構え、果敢にも突っ込んでいく。

だが、小松博の方が早...

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