第163章

三船亜由美は、白崎由美子が衝動的な行動に出ないよう、その体を強く引き留めていた。

「金子心春、いい加減にしなさい!」

 彼女は鋭く怒号を飛ばす。だが、金子心春も引かない。その瞳には冷ややかな光が宿っていた。

 その時だ。それまで静観していた大平愛子が、不意に動いた。

 彼女はつかつかと歩み寄ると、白崎由美子の前に立ちはだかる。

 そして金子心春の手首を掴むや否や――その頬を思い切り引っぱたいた。

 乾いた音が周囲に響き渡る。金子心春は目を見開き、金切り声を上げた。

「大平愛子、何すんのよ!」

 大平愛子は冷酷な視線を向けたまま、返す刀でもう一発、平手打ちを見舞う。

 立て続...

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