第17章

俺は素早く手を伸ばし、彼女の手首を強く掴んで冷たく言い放った。

「これ以上、無駄に事を荒立てるなら、もう一度海に放り込んでやるぞ!」

大平愛子は冷笑を浮かべ、本田安奈を指差した。

「あんたの目は節穴? 私が事を起こしたっていうの? 先に手を出したのは向こうよ!」

いつもは温厚な本田安奈が突然手を上げたことに、俺たちもかなり驚いていた。

本田安奈は大平愛子を見つめ、抑えきれない怒りをその目に宿して、声を沈ませた。

「大平愛子、あなたが何を壊したか分かってるの? この淡水のために、おじいさんは命懸けで、もう少しで死ぬところだったのよ」

大平愛子はそれを聞くと、口の端に冷笑を浮かべた...

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