第177章

愛子はようやく落ち着きを取り戻すと、腰を上げて俺に目配せし、あの原始人の女と接触を続けるよう促してきた。

俺は一つ大きく息を吐き出し、彼女のそばへと歩み寄る。

彼女は枯れ草を集め、火打ち石で焚き火をおこそうとしているところだった。

だが、石の調子が悪いのか、何度打ち合わせても火花が散らない。

俺は傍らにしゃがみ込むと、懐からライターを取り出し、カチッと音を立てて火を点けてやった。枯れ草に炎が移り、ぱちぱちと燃え上がる。

彼女はそのみどりの瞳で、俺の手にあるライターをじっと見つめていた。好奇心に満ちた眼差しだ。

俺は迷わず、そのライターを彼女に差し出した。

彼女は目を丸くして俺を...

ログインして続きを読む