第38章

俺は軽くため息をつき、三船亜由美に声を潜めて言った。「俺たちみんな、ここから生きて出たいと願ってる。だが、覚えておいてくれ。彼女たちは好き勝手に動かせる駒じゃない」

三船亜由美は静かに頷くと、顔にはいつもの無表情が戻り、手元の作業を続けた。

前谷鈴音がゆっくりと歩み寄ってきて、心配そうな目で尋ねる。「亜由美姉、おじいさん、大丈夫ですか?」

俺は横目で、俯いて編み物をしている白崎由美子に目をやった。彼女はこのいざこざを意図的に避けようとしているようだ。

三船亜由美はさっと表情を切り替え、前谷鈴音に微笑みかけた。「大丈夫よ。これからの計画を話し合っていただけ」

俺は話を引き取った。「あ...

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