第40章

そう考えると、俺は密かに胸をなでおろした。少なくとも彼女の行動から察するに、人肉には興味がないらしい。

俺は深く息を吸い込み、心中の恐怖と衝撃を必死に鎮め、倒れている黒熊へと視線を移した。

黒熊はすでに絶命しており、その巨大な体は陽光の下でひときわ重々しく見えた。

ふと、これが今後数日間の重要な食料源になるかもしれないと気づく。

俺は少女が去っていった方向を見やり、心中で思案する。黒熊を殺したのは彼女だが、熊肉を持ち去るつもりはなかったようだ。

そう思うと、俺はすぐさま行動に移した。サバイバルアックスを手に取り、この黒熊の解体を始める。

まずは四本の熊の手を切り落とす。この貴重な...

ログインして続きを読む