第42章

三船亜由美が小声で呼びかけた。「みんな、先にこっちで熊肉を食べましょう」

大平愛子は羊乳で満たされた陶器の壺を手に、軽やかに別の焚き火へと向かい、手際よくそれを火にかけた。

本田安奈と白崎由美子は声に応じて立ち上がり、ぞろぞろと集まってくる。

そして俺は、重いサバイバルアックスを振るい、ようやく最後の一本の樺の木を割り終えると、薪の束を抱えて、しっかりとした足取りで焚き火のそばへと戻った。

輪になって座ると、三船亜由美の優しい眼差しが俺に向けられた。「今日、こんなに美味しいものが食べられるのは、全部おじいさんのおかげです。感謝しないといけませんね」

白崎由美子は花のような笑みを浮か...

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