第55章

興味をそそられ、俺は尋ねた。

「どうやるつもりなんだ?」

彼女は答える。

「簡単よ。まず粘土で大きな陶器の壺を作って、木の板で蓋をするの。蓋にはこの水管を差し込むための丸い穴を開けるわ。それから水管を支柱で支え、最後の末端をバケツに入れる。こうすれば、大きな陶器の壺の中の海水を熱して発生した水蒸気が水管に入って水滴に凝結し、重力でゆっくりとバケ-ツの中に滑り落ちていくってわけ」

大平愛子の言う通りだ。もし本当にこの海水淡水化装置が作れれば、俺たちの時間と労力を大幅に節約できる。

俺は賛同し、製作に参加することにした。

「よし、明日粘土を掘りに行って、この装置を作ろう」

俺が提案...

ログインして続きを読む