第57章

俺は頷いて言った。「炉の設置は白崎由美子に手伝ってもらえばいい。三船亜由美と前谷鈴音は粘土の処理を担当してくれ。今一番大事なのは海水を淡水化する装置を作ることだ。そうすれば、淡水が尽きそうになっても窮地に陥ることはない」

俺たちは手分けして、それぞれの作業に取り掛かった。

俺は炉に最適な玉石を丁寧に選び出し、白崎由美子にキャンプ地から陶器の碗を持ってこさせ、それに粘土を詰めてから水を加えて湿らせた。

それから、俺は炉の組み立て作業に取り掛かった。玉石を積み上げ、粘土で固定していく。

これは複雑な作業ではないが、丁寧さと根気が必要だ。粘土の粘着力は強いものの、セメントほど安定しておらず...

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