第69章

三船亜由美はその様子を見て、慌てて俺の手首を掴み、落ち着かせようとしてきた。「おじいさん、焦らないで! 前に信号を受信できたってことは、この場所には希望があるってことよ。大平愛子のネックレスが位置情報を発信できるってことさえ確定できればいいんだから。携帯のことは、また機会があれば試しましょう。今は携帯のバッテリーを確保することが大事よ」

俺は深呼吸をして、どうにか気持ちを落ち着かせた。

「この孤島を完全に踏査するには、きっと長い時間がかかる。今のところ、無人島の西海岸から北へ迂回して戻るのにどれくらい時間がかかるか不明だし、持っている淡水と食料も限られているしな」

三船亜由美が提案した...

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