第71章

すべての準備が整うと、俺は周囲から乾いた薪を拾い集め、焚き火を起こした。

三船亜由美は片手にバックパックを提げ、もう片方の手で白崎由美子を支えながら焚き火のそばまで歩いていき、腰を下ろさせた。

彼女は腕をきつく抱きしめ、震えながら言った。「おじいさん、なんだか寒いです」

本田安奈は優しく白崎由美子の額に触れ、それから俺の方を向いて、出発できると頷いてみせた。

俺も頷き返し、白崎由美子の傍らにしゃがみ込むと、優しく言い聞かせた。「白崎由美子、三船亜由美の言うことを聞くんだぞ。俺たちはすぐに戻ってくるからな」

白崎由美子は素直に頷いた。俺は彼女を温かく抱きしめてから立ち上がり、本田安奈...

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