第98章

振り返ると、小松博たちはまるで水の中から引き揚げられたばかりのように、全身びしょ濡れになっていた。疲労といった様子だ。

彼らは今、ペットボトルを握りしめ、貪るように水を飲んでいる。

俺はたまらず提案した。

「このまま歩き続けたら、脱水症状になりかねない。少し休もう」

大平愛子は足を止め、軽く息を整えてから俺に向き直った。

「もういい時間よ。こんな風に歩いたり休んだりしていたら、大物を仕留める前に日が暮れちゃうわ」

俺は同意して頷く。

「あと一時間だ。それで山羊や鹿みたいな大物に出くわさなかったら、引き返そう」

大平愛子も頷き、再び歩き出した。

中村悠一がたまらず声を張り上げ...

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