第103章 歳の差の友達

階下は人々が行き交っている。佐藤愛は、北村辰がこれほど大胆なことをするとは夢にも思わなかった。

彼が自分にキスをした?

しかも、自分は情けないことに彼のキスに溺れ、抜け出せなくなっていた。

北村辰のキスは巧みで、唇が重なり合ううちに、二人の行為は少しずつ制御を失っていった。

その時、階段の方から佐藤愛を呼ぶ声が聞こえた。佐藤愛は一瞬で我に返り、勢いよく北村辰を突き飛ばすと、慌てて逃げ出した。

その逃げ去る姿を見て、北村辰はフンと鼻を鳴らし、自分の唇に指を這わせた。

ほんの味見程度とは、興醒めだ。

佐藤愛が北村辰の部屋から逃げ出すと、階段のところで彼女を探しに来た川...

ログインして続きを読む