第146章 北村様の独占欲

その人影はスマホを構え、北村辰と佐藤愛が熱い口づけを交わしている場面を、密かに、しかし確実にカメラに収めた。

 ガラス越しだったせいか、あるいは北村辰が窓に背を向けていたせいか。その写真は輪郭がぼやけ、北村辰の顔をはっきりと判別することはできなかった。

 だが、佐藤愛の横顔だけは、鮮明に写し出されていた。

 数分後。佐藤と北村、両家の祖父のスマホに、同時にその写真が届いた。

 佐藤翁は老眼鏡をかけ、送られてきた画像を訝しげに見つめながら、傍らに控える執事に問いかけた。

「おや? これはわしの愛ちゃんか? チューしとるこの小僧は誰じゃ? 北村星か? それとも北村萧か?」

 佐藤翁は...

ログインして続きを読む