第65章 ひざまずいて謝る

「さっき言ったでしょ。この絵はトイレットペーパー代わりにするために買うの。何を鑑賞するっていうの?」

「それに、トイレットペーパーに鑑賞する価値なんてあるわけ?」

佐藤愛がそう言い放つと、高山藤が老人を一人連れて歩いてくるのが見えた。会場にいる佐藤愛の姿を認めるやいなや、高山藤の顔にたちまち笑みが浮かぶ。

彼は身をかがめ、佐藤愛に挨拶しようとした。

ところが、高山藤が口を開くより先に、葉田静香が腰をくねらせ、唇を尖らせながらその老人の前へと進み出て、腕に手を絡ませた。

「おじ様、この醜い女、あまりにもひどいんですの。さっき、おじ様のこの絵を買ってトイレットペーパーにするって言...

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