第91章 君を守る

平沢寧々は佐藤愛の行く手を遮ると、その厚化粧の顔をぐいと持ち上げた。

「あら、ブスじゃない。あなたもこんなところに来てたの？　男でも見つけて慰めてもらうつもり？」平沢寧々の口調は刺々しく、その眼差しは佐藤愛への侮蔑に満ちていた。

それも無理はない。今の佐藤愛の醜い姿では、普通の人間がまともに相手にするはずもなかった。

佐藤愛は北村辰を捜すのに必死で、平沢寧々と話している暇などない。彼女を避け、その場を立ち去ろうとした。

ところが、平沢寧々を腕に抱いていた例のオヤジが、無遠慮に手を伸ばし佐藤愛を掴もうとする。

「おい、ブス、どういうつもりだ？　俺の女が話しかけてるのに、無視する...