第10章 入社

いくら貧乏でも、そんなお金は稼ぎたくありません。それに今は北条社に採用されたので、必死に頑張って、まずはデザイナーアシスタントになり、そしてデザイナーになるはずです。

北条寒生は何かを悟ったように眉をひそめた。「私が何をしていると思っているんだ?」

「清純な女子大生を堕落させるポン引きでしょう」葉山ゆうは不機嫌そうに答えた。

やっと分かった。なぜいつも彼に会うのか。

女性相手の商売だけでなく、男性相手の商売もしているから、そんなにお金持ちなのだ。

「こんな汚いお金を稼いで、心が痛まないんですか?」葉山ゆうは笑った。「あ、そうですね。痛むはずないですよね。だって、心なんてないんだから...

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